OSSライセンスの取り扱いについての画期的な本がでた。

OSSライセンスの取り扱いについての画期的な本が最近でた。

これ、 OSSライセンスの教科書。

OSSライセンスの教科書

OSSライセンスの教科書

 

 

作者の上田理(うえださとる)氏は、ソニーの技術者で、日本OSS推進フォーラム

組込システム部会*1の部会長も務められている人。また、弁護士の方の監修も入っていて、この点も安心できる。

 

OSSやOSSの取り扱いをどうすればよいんだ、という実務者にとっては大変ありがたく、羅針盤兼使える武器となること請け合いの本。

 

内容について、基本、実務、戦略編と3つの編に分かれている点も、よい。

読んでみて、実務編が大変よかった。

 

特に、「OSSマトショーシカ」の解説(この用語について一般的かどうかはさておき)については、共感しかなかった。

 

以前、OSSを採用する際に、調達局面においてOSSライセンスの競合や採用時の義務などを調査する仕事をしている時期があったが、本書があれば、OSSに関する体系的な考え方の整理に大変役にたっただろうなと思った。

 

観測範囲の話で恐縮だが、OSSライセンスの解説本は、大変数が少なく、本当にありがたい(もちろん、論文やウェブ資料はたくさんあると思うが)。他の本で思いつくものは以下の本くらいしかない。

 

10年前に出版されていて、個別のライセンス がたくさん収録されており、この本にも大変お世話になった思い出がある。

 

ソフトウェアライセンスの基礎知識

ソフトウェアライセンスの基礎知識

 

 

本書の著者の電子書籍もあるが、既に5年前の書籍となってしまった。

 

tatsu-zine.com

 

こういう本は出版数が少なく、すぐに書店からも出版社からも在庫がなくなってしまうので、興味のある方は、是非早めにお手に取って確認してほしい。